
「ミサイル発射の兆候を察知した時点で、迎撃のタイミングはすでに失われている可能性がある。」
北朝鮮は米本土を射程に収める固体燃料ICBMの開発と、新たな長距離ミサイル基地の建設を加速させており、韓米の軍当局に緊急事態が生じている。
米国防情報局(DIA)は、北朝鮮のミサイル戦力の最大の脅威として「奇襲性」を公式に指摘し、発射前に敵を打撃する韓国軍のキルチェーン(Kill Chain)が無力化される懸念が現実味を帯びていると警告している。
米情報機関が警告した「奇襲性」──北朝鮮の地下基地がもたらす脅威

米国防情報局(DIA)は最近、議会向けに提出した資料で、北朝鮮が生存性と奇襲発射能力を極大化した新型固体燃料ICBMの開発を継続していると評価している。
さらに、長距離ミサイルを秘匿して発射できる地下ミサイル基地を追加で建設している可能性を示す兆候も把握されている。
米当局が北朝鮮の固体燃料搭載技術に敏感に反応するのは、探知から発射までの時間が従来とは桁違いに短縮されたためだ。
このことは、有事に米側の拡張抑止力が展開される前に、米本土と太平洋のグアム基地、そして朝鮮半島を同時に奇襲できる能力を北朝鮮が整えつつあることを示す。
2時間 vs 15分…キルチェーンのゴールデンタイムを断ち切った固体燃料

固体燃料技術の進化は、朝鮮半島防衛の前提を根本から変えつつある。従来の主力だった火星-17型のような液体燃料ICBMは、発射前の燃料注入だけで最低1~2時間を要した。
その長時間の間、燃料注入車両という大きな目印が移動式発射台(TEL)周辺に存在するため、韓米の偵察衛星網に明白な兆候が露出していた。
これに対し、火星-18型など新型の固体燃料ICBMは、巨大なバッテリーのように燃料を内蔵した状態で保管される。
トンネルや地下基地から発射車両が外に出てミサイルを立て、ボタンが押されるまでに要する時間は、長くとも10~15分程度にすぎない。宇宙に浮かぶ衛星がそれを検知して指揮部に報告する間に、すでにミサイルは大気圏へ向けて上昇している。

こうした発射準備時間の極端な短縮は、韓国軍の3軸体制で最前線に位置するキルチェーンに致命的な影響を与えると分析されている。キルチェーンは、北朝鮮のミサイル発射の兆候を察知してから30分以内に先制打撃を行い発射点を破壊するという概念だ。
だが北朝鮮が15分で固体燃料ミサイルを発射し再び地下に潜る能力を持てば、韓国軍が30分のゴールデンタイムに合わせて戦闘機を発進させ、精密誘導兵器を発射する物理的余裕は消失する。
多数の長距離ミサイル基地から複数の固体燃料ICBMが同時に混在して発射されるシナリオが現実となれば、韓米の情報資産と監視網は深刻な過負荷に陥る可能性が高い。
奇襲発射能力を前面に出した北朝鮮の挑発テンポが韓米の探知力を上回り始めており、兆候探知を前提とする従来の先制打撃戦略を根本的に見直す必要が強まっている。













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