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米国とイスラエル、イランの間の戦闘はまだ終結していない。しかし、各国で「イラン戦からの教訓を学ぶ」熱は既に高まっている。国防の専門家が掘り下げる疑問は明快だ。世界随一の最先端兵器と圧倒的な火力を持つ米国はなぜイランを屈服させられなかったのか。なぜイラン軍は甚大な被害を受けても反撃能力を維持できたのか。航空機や戦車、艦艇など従来型兵器に対抗する弾道ミサイル、ドローン、機雷といったイランの非対称戦力の有効性が示された、という分析は一定の説得力を持つ。非対称戦力とは、弱者が強者との戦力不均衡を克服するために、少数でも大きな被害や奇襲効果をもたらす非伝統的な兵器を指す。
だが、非対称兵器の効果だけを強調すると、中東戦の核心を見誤る。先月下旬に戦争が始まってから3週間を超えると、イスラエルの防空網にも穴が開き始めた。テルアビブ市内の各所が自爆ドローンやミサイルの攻撃を受け、大きな被害が出た。核施設のある南部砂漠の都市ディモナも攻撃され、200人余りが負傷した。イランのミサイルやドローンの性能が優れているから緻密な多層防空網「アイアンドーム」が破られたわけではない。
原因は「量」だった。イランは一晩で数百機のドローンと巡航・弾道ミサイルを混成して発射した。イスラエルは一基数百万ドルに達する高価な迎撃ミサイルで逐一対応できず、迎撃能力が枯渇した。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など、米国の高度な防空システムが配備されていた湾岸諸国が被害を受けたのも、迎撃ミサイルの性能不足ではなく、低価格ミサイルやドローンの群攻によって迎撃弾が尽きたためだ。
シンクタンク「ランド・ヨーロッパ」の欧州防衛政策専門家ジェームズ・ブラックは、非対称コスト(cost asymmetry)が戦術の次元を超え戦略的問題として浮上したと指摘する。シャヘド(Shahed)ドローンの製作費は약 3만 달러(4400만원)とされるのに対し、米側は1機あたり약 400만 달러(59억원)に達する迎撃ミサイルで対処しているとされる。イランは月産1万機のシャヘド生産能力があると伝えられる一方、米国のロッキード・マーティンのパトリオット(PAC-3)ミサイルの年産能力は600基にすぎない。こうした根本的なコストの非対称が戦争のパラダイムを変えている。ハーバード大学ケネディスクールのリンダ・ビルメス教授は、米国の対イラン戦の費用が最低でも1조 달러(1480조원)に達すると推定する。イランの低価格ミサイルとドローンが米国とイスラエルの財政と軍需供給網を「溶かしている」。
かつて軍事革命とみなされた精密誘導兵器の限界が露呈したという見方にも妥当性がある。敵が数百、数千の低コスト・プラットフォームを運用する際、精密性は戦略的に意味を失う可能性がある。この種の戦闘では火力よりも回復力(resilience)が勝敗を決める決定的要因になり得る。イスラエル指導部への暗殺未遂に対応して整備されたイスラム革命防衛隊(IRGC)の分散型指揮体系や、険しい山岳や都市に分散した軍需生産拠点は、イラン軍の生存力を高めた。
今回の中東戦は何よりも我々への警告だ。休戦線からソウルなど首都圏までの距離は40〜50kmにすぎず、南北方向の幅が狭いため、北朝鮮の挑発時には探知後に対応する時間が極めて限られる。北朝鮮は首都圏を短時間で麻痺させる目的で、長射程砲やロケット砲、短距離ミサイルといった戦力を数十年にわたり蓄積してきた。こうした北朝鮮がコストパフォーマンスに優れるドローンを見逃すはずがない。何より北朝鮮軍はウクライナでドローン戦という現代戦のゲームチェンジャーを実戦で学んだ。正東永(チョンドンヨン)統一部長官の「核濃縮施設」発言で問題になった平壌北部構成に、北朝鮮が大規模なドローン製造工場を建てたという情報もある。一方、韓国には十分なドローン生産設備がない。生産するには中国製部品と素材に依存せざるを得ず、軍用ドローンの研究・検証もようやく第一歩を踏み出した段階にすぎない。
高度化する北朝鮮の核脅威に備えたキルチェーンの構築も重要だ。しかし、戦場の地盤は変化している。依然として我が軍の関心は高性能・高精度兵器に偏っているように見える。北朝鮮は「非対称コスト戦争」の重要性を体得し、それを戦略・戦術・軍事教義へ敏捷に適用している。わが国の政府と軍の対応は鈍く、米国やイスラエルの失敗が韓国軍でも繰り返される可能性が極めて高いにもかかわらず、危機感が欠けている。
ペ・ビョンウ 論説委員














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