F-15の購入価格はF-16の約2倍で、維持費もF-16よりはるかに高い。そのためコストパフォーマンスではF-16に劣ると評価されている。多くの国が主力戦闘機としてF-16を選ぶのは、現代戦で空中優勢の確保が空軍にとって最優先の価値だからだ。 F-15「イーグル」は代表的な空中優勢戦闘機で、伝説的な戦績により「世界最高の戦闘機」との名声を得ている。1976年に初めて実戦配備され、2008年までに空中戦で1機の損失も出さずに104機の敵機を撃墜したという記録を残した。これは空中戦の歴史でも類を見ない記録であり、要するにF-15が敵機104機を撃墜している間、F-15側の機体は一機も失われなかったという意味だ。視界外迎撃(BVR)能力だけでなく、近接格闘戦での優れた能力もこの実績につながっている。加えてF-15は空中優位を第一目的に設計されつつも対地攻撃能力も併せ持ち、危険地域に侵入して爆弾を投下し無事帰還できる戦闘機だ。 実際、F-15イーグルはF-16「ファイティングファルコン」とともに、2015年に実戦配備が始まったF-35「ライトニングⅡ」登場以前の半世紀にわたり世界の空を支配してきた。特に空中戦での「104対0」という不朽の記録を持つF-15は、F-16とは比較にならない空中優勢の最強機と見なされている。だが興味深いのは、そうした「空の王者」F-15が販売台数ではF-16に大きく差をつけられている点だ。F-15の販売台数はF-16の約4分の1にとどまる。ほぼ同時期に配備が始まったにもかかわらず、世界で実際に運用されている台数はF-16が圧倒的に多く、採用国の数でも上位に位置している。 運用面でも差がある。駐韓米軍に配備されるF-16Vは戦術レベルの任務を担い、駐日米軍に配備されるF-15EXは戦略レベルの任務を負う、という評価が専門家の間で示されており、米軍がF-15EXの能力により重きを置いていることを示している。 では、空中戦において圧倒的な性能を示すF-15が販売で劣る理由は何か。専門家は大きく二点を挙げる。第一は「高い購入価格と運用費」だ。1972年に初飛行したF-15イーグルは、制空権確保のみを目的に設計された双発の重戦闘機である。圧倒的な性能を持つ一方で、巨大な機体と精密な双発エンジンのため購入価格がF-16よりも大幅に高くなるという逆説がある。このため生産国である米国のほか、イスラエル、日本、サウジアラビアといった経済力のある限られた国しか保有していない。 これに対してF-15の代替・補完を意図して登場したF-16は、単発エンジンの軽量な機体設計と低コストで各種兵装を搭載できる点からコストパフォーマンスに優れ、「ハングリーファイター」と呼ばれた。世界25か国以上で約4600機が販売され、西側の標準として定着している(注:別資料ではF-16の販売台数を約4800機とする記述もある)。 最新型のF-15EXは13.3トンの兵装を23のハードポイントに搭載可能な「ミサイルトラック」としての役割が期待され、極超音速ミサイルの搭載も想定される。機体寿命は既存モデルの2倍の2万時間に達するとされる。このため1機あたりの価格は約9000万~9700万米ドル(約140億9940万円~約151億9602万円)という高額だ。原文にはウォン換算の表記(約1,354億~1,459億ウォン)もある。 これに対しF-16V「バイパー」は最新のAESAレーダー(APG-83)と5世代級の航法・電子機器を搭載し、いわば4.5世代機へ進化した。結果として1機あたり約4000万~7000万米ドル(約62億6640万円~約109億6620万円)と価格面で優位に立ち、スロバキアやブルガリア、フィリピンなど中堅国からの採用が続いている。 第二の理由は膨大な維持保守費だ。F-16の運用費はF-15の約半分とされ、最新型への改修費用も比較的低廉で済むとされる。パキスタン空軍(PAF)は最近、米国から約6億8600万米ドル(約1,074億6876万円)規模の支援を受け、70~80機のF-16を2040年まで運用可能にするための大規模な改修を実施する計画だ。 このような事情から、全世界で「MiG-21」「F-4ファントムII」に次いで最も多く運用されている超音速ジェット戦闘機はF-16であるとされる。F-16はF-15の半額程度の価格でありながら、信頼性、汎用性、比較的低い維持費、機体サイズに対して高い兵装搭載量、良好な航続距離といった強みを備え、先進国から開発途上国まで幅広く主力戦闘機として採用されている。
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