
高齢運転者の運転免許証返納は黄昏の悩みの一つだ。大型交通事故を起こせば、運転免許返納の問題は「烙印」のように付きまとう。社会は高齢ドライバーの交通事故に寛容ではなく、「言い訳」や「説明」は「抗弁」として受け取られがちだ。2025年の交通事故統計によれば、昨年、高齢運転者による交通事故は4万5873件発生した。高齢運転者が起こした事故が占める死亡者の割合は33%に上る。交通事故で亡くなった3人に1人は、高齢運転者が起こした事故で命を落としている。
7日、江原道原州市は母の日を前に、65歳以上の高齢運転者が免許を返納すれば最大20万ウォン(約1万8200円)を支援する施策を打ち出した。対象は65歳以上の高齢運転者だ。事業名は「高齢運転者運転免許自主返納支援事業」。原州市は1回の補正予算を通じて追加予算を確保したという。投入予算は8570万ウォン(約780万8700円)。支援は実際に運転していた者と単なる免許保有者を区別する。65歳以降に運転していた事実が証明されれば20万ウォン(約1万8200円)を受け取れる。もちろん生涯に一度だけだ。
免許を返納するシニア運転者への支援予算が増えたのは歓迎すべきことだ。しかし、自主返納支援金20万ウォンは現実との乖離がある。人口の高齢化で70代以上のタクシーやバスの運転手が日常化している。原州は首都圏と比べ大衆交通が脆弱だ。自主返納が生計と直結すれば、その「自主」は事実上の強制に変質しかねない。さらに、運転をやめた高齢者に急速な認知能力低下が見られるという研究結果も懸念材料となる。
高齢運転者の運転免許証返納は一生で重要な選択の一つだ。免許返納者に「爆弾のような恩恵」を無条件に与える日本の福祉制度をそのまま追従するつもりはないし、自動運転や先進運転支援システムの導入という楽観的な展望にも依存しない。ただ、彼らに名誉ある免許返納の大義を提供するべきだ。社会と家族のために何十年も財布の片隅に置いてきた免許証を、名誉ある形で退かせることは必要だ。免許を自主返納する高齢運転者に支援金とともに「運転免許名誉卒業証」を贈れば、関係するすべての人が幸福になれるのではないかと考える。













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