
海外旅行の費用負担が急速に増す中、韓国国内に目を向ける旅行客が急増している。

特に済州島や釜山といった従来の大規模観光地ではなく、閑静な地域の小都市に足を運ぶ動きが顕著だ。国内旅行需要が全体的に増加するなかで、宿泊費や交通費の負担が相対的に小さい小都市が新たな選択肢として選ばれている。
日本の感性を代替する港と路地…MZ世代の徒歩旅行者の聖地
最近、注目を集めているのは、日本の小都市特有の静かな感性を彷彿とさせる国内の港町や路地型の小都市だ。鉄道(KTX)でアクセスしやすい江原道・東海のムクホをはじめ、全羅北道・群山、慶尚南道・統営、慶尚北道・安東などは、昔ながらの情緒を残すレトロな路地や個性的なローカル商圏がよく保存されており、ゆったりと滞在できる滞在型の旅行先として人気を集めている。
こうした流れはビッグデータ上でもはっきり確認できる。ソーシャルデータプラットフォーム「サムトレンド」の調査によると、3月のブログ内での「小都市旅行」に関する言及量は1万926件に達し、過去最高を記録した。春の旅行需要と政府・自治体の半額旅行政策が重なって関心が高まったためだ。オンラインコミュニティでの関連言及も1年前に比べ82%増加した。特に車を使わず公共交通を利用するMZ世代の徒歩旅行者の間でムクホの関心が最も高く、群山、統営、安東、密陽がそれに続いた。
実際に国内旅行を計画する層の規模も統計で裏付けられている。Hotels.comが発表した「アンパック26」夏エディションの調査によると、韓国人旅行者の56%が今年の夏の国内旅行への関心が昨年より高まったと答えた。
「飛行機の認証ショット」より「自分だけの体験」…消費心理の構造的変化
業界の専門家は、この現象を単なる一時的な海外旅行の代替探し以上のものと見ている。旅行費の上昇という現実的制約に加え、他人が行く有名観光地に行くことよりも、自分だけの差別化された体験と心理的満足を重視する消費傾向の変化が背景にあるという分析だ。
かつては「飛行機に乗って海外に行った」という事実そのものを示す見せびらかし的な消費が主流だったが、最近はどの空間でどのようにしっかり休み楽しんだか、内実を重視する傾向が強まっている。そこへ政府や地方自治体が用意したプロモーションが経費負担を和らげ、合理的な費用で独特なローカル文化を体験できる小都市旅行の魅力が一段と高まっている。
地域通貨で戻ってくる「半額旅行」…自治体の支援策が火をつけた活況
地方自治体が積極的に展開する観光支援策も、小都市旅行拡大の強力な原動力になっている。人口減少地域を訪れる旅行者に対し、宿泊・飲食・体験などの消費の一部を地域通貨で還元する「半額旅行」事業がその代表的な成功例だ。
実際、先月、忠清北道の괴산(ケサン)にある성불산自然休養林を訪れた30代の会社員イ氏は、平日利用特典によって宿泊費の30%をケサン愛商品券で還元された。イ氏はホテルやリゾートより安価な自然休養林を選ぶことでまず経費を抑え、還元された商品券で翌日の昼食代まで賄えたことに非常に満足し、周囲に訪問を勧めると語った。

こうした政策効果は他地域でも確認される。慶尚南道・密陽市が実施した半額旅行事業では、4月に2000人、5月に2500人規模の申請受付がそれぞれ開始1日で完売する快挙を見せた。観光宿泊業界が現場で感じる宿泊割引券の売上寄与度も、昨年の44.3点から今年は50.2点(100点満点)へ大きく上昇した。政策の実効性が明らかになると、チェ・フィヨン文化体育観光部長は15日、慶南の密陽を直接訪れ、半額旅行政策が期待を上回る成果を出していると評価し、今後の事業拡大策を積極的に検討する意向を示した。
一時的な流行ではなく旅行消費構造の大転換へ
業界では、小都市旅行の人気が単発の流行で終わらず、国内観光市場の構造的変化を促すと見ている。かつて海外の小都市で味わった静かなローカル感や独特の余暇需要が、国内の地域社会へ移行しつつあるからだ。
すでに何度も有名観光地を訪れた旅行者が、再訪時に新たな魅力を求めて自然と小都市に目を向ける傾向が強まっている。高物価下で費用効率を求める実利志向の消費トレンドと、人と違う差別化された旅程を求める文化的欲求が結びつき、国内の小都市旅行市場は今後も着実に拡大を続ける見込みだ。













コメント0