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スペインの陽光をまとった『エル・オリボ』
地中海と北アフリカ、マグレブの本格料理
安養で味わうフランス家庭料理など
飛行機に乗らず、軽やかな足取りで世界を巡れるとしたらどうだろうか。京畿道の各地が多彩な「世界の美食地図」に変わりつつある。安山の多文化料理通りに並ぶウズベキスタンの伝統料理から、水原の大学前で味わえるチュニジアの家庭料理まで、本土の食材と伝統的な調理法に現地シェフの技が融合したメニューは、まるで海外の食文化をそのまま再現している。パスポートなしでふらりと出かけられる、美味しい世界が身近にあるのだ。
スペインの陽光をまとった饗宴、果川のエル・オリボ
4号線・線岩駅近くにあるエル・オリボは、スペイン語で「オリーブの木」を意味する本格的なスペイン料理専門店だ。三階建ての店舗は外観から内装までスペインの雰囲気を忠実に再現しており、強い異国情緒を放っている。1階のワインセラーを抜けて2〜3階のダイニングに上がると、まるでスペインの古い邸宅に招かれたかのような気分になる。新緑の6月には風情あるテラス席がとくに人気だ。
看板メニューは、大きなフライパンで生米にイカ墨をまとわせ、豊富な海鮮をたっぷり載せて仕上げるスペイン伝統の米料理「イカ墨のパエリア」と、弾力のあるタコと柔らかなジャガイモを有機オリーブオイルとピメントン(スペインの燻製パプリカ粉)で和え、深い旨味を引き出した「ポルポ・コン・パタタ」だ。スペインらしく、小皿のピンチョスやガンバス・アル・アヒージョ、カラマリなど、ワインに合うタパス(Tapas)も多彩に揃う。
看板のパエリアは、生米を直接調理する伝統的な手法を守っており、完成まで約30分を要する。しかし、この待ち時間もまた美食の一部になるよう工夫されている。飲み物のグラスにごみが入らないようパンをかぶせていた習慣に由来する軽めの「タパス」をつまみながら待てば、ゆったりとしたスペインの食文化を存分に味わえる。
手頃な価格で楽しめるクスクス、スウォンのベラチュニジ
水原・ユルジョンドン、成均館大学の近くにあるベラチュニジは、地中海と北アフリカの美食を紹介するマグレブ地域の本格料理店だ。地下1階へ続く階段を下りると北アフリカの音楽が流れ、チュニジアの現地食堂をそのまま移したような神秘的な雰囲気が広がる。
代表的な料理は、ヨーロッパとアラブの調理法が絶妙に融合したクスクスやタジンなどのチュニジア伝統料理だ。デュラム小麦を細かく挽いて作る、ユネスコの無形文化遺産にも登録された「クスクス」、弱火で長時間煮込んで肉を柔らかく仕上げ、羊肉特有の匂いを抑えた煮込み料理「ラムのタジン」が特に人気を集めている。
この店は2016年からチュニジア出身のシェフが直接営業と厨房を担っており、大学街の客層に合わせてほとんどのメニューを1万ウォン以下に設定するなど、手頃な価格で提供している。気軽にいくつかの料理を頼んで、北アフリカ料理の多様で異国的な魅力を存分に楽しめる。
東辺マウルで出会うフランス家庭料理、安養のル・ディッシュ
安養・東辺マウルのカフェ通りにあるル・ディッシュは、フランス家庭料理を基盤とするレストランで、ル・クルーゼの鍋を愛するオーナーの趣味が色濃く反映されている。店内は柔らかな照明に包まれ、オーナーが撮影したモンマルトルの丘やヴェルサイユ宮殿の風景写真が大きな額装で飾られている。まるでフランスの家庭料理店をそのまま移したような雰囲気で、デートやブランチの場として人気が高い。
代表メニューは季節の食材を生かしたラタトゥイユなどのフランス伝統の家庭料理だ。ナス、トマト、パプリカなど多彩な野菜をじっくり煮込んだ野菜シチュー「ラタトゥイユ」、エンダイブ(チコリーの一種)を焼いて野菜本来の甘みを引き出した「エンダイブ・ジャンボン・グラタン」がとくに人気を集めている。
ル・ディッシュは伝統に固執せず客の好みに合わせてアレンジを加えることで、フランス家庭料理の素朴さと繊細さを両立させている。
キャンプ・ハンプリーズ前に漂う「濃厚なアメリカ感」
平沢市・ペンソン邑・安中里のロデオ通り入口にあるクレイジーウィングス&バーガーは、手作りバーガーとホットウィングを中心にアメリカンな雰囲気を楽しめる店だ。
店内にはポスターやネオンサインが並び、アメリカンポップが流れて現地のカジュアルな食堂のような自由で活気ある空間が作られている。近隣には在韓米軍基地キャンプ・ハンプリーズがあり、ロデオ通りには多国籍の来訪者や各国の飲食店が集まり、独特の異国情緒を形成している。
レタス、トマト、ピクルス、玉ねぎなどの新鮮な具材がたっぷり入ったバーガーに、パティの上でとろけるチーズが風味を添える。材料の一部はアメリカから直接取り寄せたり、現地の食材を使ったりして、本場の味を忠実に再現している。
「ハラールフード」安山のフルシェダサマルカント
フルシェダサマルカントは、安山の多文化料理通りでウズベキスタンの現地の味と雰囲気を体感できる店だ。ウズベキスタンは国民の大多数がムスリムであるため豚肉を使わず、羊肉・牛肉・鶏肉などを主材料にしたハラールフードで重厚かつ深い味わいを出している。
代表メニューはウズベキスタン風の牛肉炒飯「オシュ」だ。サマルカンド地方のオシュはご飯と肉を混ぜずに層に重ねて盛るのが特徴で、油で炒めた米と肉の旨味が調和する。シャシリクは香辛料と調味料に漬けた肉を串に刺して炭火で焼く料理で、トルティーヤに包んで食べるとまた違った味わいになる。サムサはひと口かじると香ばしい肉汁が広がり、深い風味が伝わる。
ここでは注文時におかずのように用意された料理を直接テーブルに持って見せる、ロシア・中央アジア特有の提供方式も体験できる。その際、細切りにした人参を漬けた高麗人参風の人参キムチ「マルコフチャ」を添えることを勧める。シャキッとした酸味が口中の油っぽさを洗い流し、最後の一口まで飽きずに楽しめる組み合わせになる。
ダンクク大学で16年守り続けるネパールの味と人情、龍仁のファーストネパールヒマラヤ
ファーストネパールヒマラヤは、龍仁・ダンクク大学の大学街にあるネパール・インド料理の専門店で、ポカラ出身のシェフが16年間同じ価格方針を維持して営業している。約20年前に韓国に定住したシェフは韓国語に堪能で、客へのメニュー説明やおすすめの案内も滞りなく行う。食材はネパールから直接取り寄せ、現地のシェフが調理を担当する。店内もネパールの伝統小物で飾られ、現地の食堂に来たような雰囲気が演出されている。
インドの香辛料マサラを用いた同店のカレーは9種類以上の材料を用い、5時間以上煮込むことで深い味わいを出している。バターとクリームが調和するバターチキンマクニカレーは、柔らかく甘みのある風味が特徴で、注文後に伝統的な窯で焼き上げるもちもちのナンと合わせるとさらに調和する。
また、大学街にあることから学生の負担を考慮し無制限のご飯おかわりが可能で、バナナラッシーが基本で提供されるなど、コストパフォーマンスの高い店として評判を得ている。
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