1960年代後半から1980年までに生まれた世代を指すX世代は、従来の「節約」志向の世代とは異なり、消費を積極的に行った最初の世代と分析される。経済的な豊かさの中で育ち、個性が強いこの世代は「デジタル移民」と呼ばれるようにアナログ時代に成長しデジタル時代へ順応した世代でもある。そのため受容する文化の幅が広く、大衆音楽市場の多様性を牽引した中心的存在とされる。彼らが享受した音楽を『歌謡TOP10』の90年代資料を基にZ世代へ紹介する。〈編集者注〉
◆「歌謡TOP10」1996年5月第3週:R.ef「輝かしい愛」
◆歌手R.efは、
イ・ソンウク、パク・チョルウ、ソン・デヒョンの3人による男性グループで、1995年にデビューした。当時の所属事務所であるTEAM企画の社長を含め、メンバーや運営側は全員クラブDJ出身で構成されていた。1990年代初頭にクラブDJが急増する中、元老DJだった同社長を中心とする従来のクラブDJたちが引退し、新たな活路を模索するなかで音楽事業に参入して結成されたグループとされる。
デビュー直後から新しいスタイルの音楽を打ち出し、瞬く間に人気を博した。最盛期はデビュー年から翌年にかけてで、正規アルバム4枚と非正規アルバム2枚で約370万枚の総売上を記録した。デビュー盤だけで127万枚、2作目が106万枚を売り上げるなどの実績がある。代表曲には「静寂の中の叫び」「別れの公式」「傷心」「輝かしい愛(傷心2)」「心の中を歩いて」「秋の記憶」「深淵」「ネバーエンディングストーリー」「耳の聞こえない空」などがある。
しかし所属事務所との長期にわたる対立により、1998年11月8日に初かつ最後のコンサートを行って解散した。その後メンバーは各々ソロ活動に専念し、引退したパク・チョルウを除くイ・ソンウクとソン・デヒョンの2人体制で2012年に復帰したが、同年イ・ソンウクの家庭事情により活動は中断した。
◆「輝かしい愛」は、
1996年に発売された正規2集『Back To The Black』のタイトル曲で、ホン・ジェソンが作詞・作曲・編曲を全て手がけた。1集のヒット曲「傷心」の感情を引き継ぐという意味で副題に「傷心2」が付けられ、事実上の続編と位置づけられる。
この曲はSBS『TV歌謡20』、KBS『歌謡TOP10』、KMTV『ショー!ミュージックタンク』などで何度も首位に立った。1集の成功に続き、「輝かしい愛」と「心の中を歩いて」が同時にヒットし、100万枚以上の売上を達成した。
特に「輝かしい愛」は導入部のナレーションが最大の特徴だ。当初ソン・デヒョンがナレーションを担当する予定だったが、「手足がむず痒くてどうしてもできない」としてイ・ソンウクが代役を務めたと伝えられている。イ・ソンウク自身も乗り気ではなかったが、導入のナレーションを抜きにしてこの曲を語ることは難しいほど鮮烈な印象を残した。
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