
政府は最近、防衛力への強い自信を打ち出し、「世界の軍事力5位」という表題を前面に掲げた。
だが、その根拠となった民間指標が、朝鮮半島の最大の脅威である北朝鮮の核兵器など非対称戦力を除外して算出されていることが明らかになり、安全保障の現実を誤認する恐れが強まっている。
娯楽的ランキングに隠された片手落ちの軍事力
論争の的となっているのは、米国の民間サイト「グローバルファイアパワー(GFP)」が発表する国別軍事力ランキングだ。
そのデータでは、韓国は2026年基準で世界5位、北朝鮮は31位とされる。政府はこの数字を根拠に、我が軍が圧倒的優位を占め、外国軍に依存する必要はないと主張した。

軍事専門家の評価は冷ややかだ。GFPの指標は兵力規模や戦車、艦艇など、目に見える量的な従来型戦力に点数を付けるにすぎない。
現代戦の勝敗を左右するサイバー攻撃力、無人機戦力、実戦経験などは評価に入っていない。最も致命的なのは、北朝鮮が国家存亡を懸けて追求してきた核や弾道ミサイルといった非対称戦略兵器が全く反映されていない点だ。
実際、GFP自身が当該ランキングを娯楽目的のものだと明示しており、重み付けの算出方法も透明に公開していない。
ロシアがこの指標で世界2位と評価されながらウクライナ戦場で長期間苦戦している事例は、書類上のスペックと実戦力の間に大きな隔たりがあることを明確に示している。
「5位」という錯覚が生む戦略的空白

韓国が優れた従来型軍事力を築いたことは紛れもない強みだ。国防予算は北朝鮮を大きく上回り、先端兵器の運用能力でも優位にある。
だが、国防費の相当部分が人件費や維持経費に固定されている一方で、北朝鮮は限られた資源を攻撃力を最大化する非対称兵器に集中投入している。
この特殊な戦場環境で、もし「5位」という数値にとらわれ、駐韓米軍の戦略資産など韓米同盟の必要性を過小評価すれば、北朝鮮の核脅威を前に致命的な戦力の空白が生じかねない。
米軍の圧倒的な情報優位と核の傘の支援を欠いた状態で、従来兵器だけで北朝鮮の非対称的挑発を完全に抑えることは事実上不可能に近い。

戦時作戦統制権の移管と自主防衛は主権国家として当然の目標だが、それは徹底的かつ冷静な現実認識のもとで進められるべきだ。
虚数が混じった順位表に慰めを求めるより、韓米連合の防衛態勢を堅持し、我が軍の実効ある核対応能力を強化することに安全保障の焦点を置くべき時期だ。













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