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色とりどりの春の風景を見ていると、ヴィヴァルディ(1678〜1741)の『四季』が思い浮かぶ。『四季』を思うとまず鳥のさえずりを模した演奏が頭に浮かぶ。四季の中でもとりわけ春に強く結びつくのには、それなりの理由があるようだ。鳥のさえずりだけではない。『春』を例に取ると、第1楽章では鳥のさえずりや小川のせせらぎを楽しんでいると、突如嵐が吹き荒れて雷鳴に驚かされる。第2楽章では花々が会話を交わし、羊飼いは眠りに落ち、第3楽章ではバグパイプの調べに合わせて人々が踊る。こうした描写から、この曲は物語性を帯びており、標題音楽に近い。当時、器楽曲が具体的な物語を描くことは稀だった。そのため、この曲が収められた楽譜集の題名『和声と創意の試み(1725)』という意味深なタイトルとも不思議と符合する。300年前のヴェネツィアで作曲された曲が今なお愛され続けるのは、人生の物語を宿し、深い共感を呼び起こすからだろう。
『四季』は時代を超えて歌い継がれてきた主題でもある。とりわけ、ヴィヴァルディの作品を現代の感性で再構築したマックス・リヒターの『四季(2012)』は、近年最も頻繁に演奏される『四季』の一つだろう。彼はヴィヴァルディの原曲にある鳥のさえずりなどの特徴的なパターンや主要旋律を繰り返し用い、自身のトレードマークとも言える感覚的な和声で21世紀の音の風景を作り上げる。こうして300年前の田園的な『四季』は現代の都市の季節へと生まれ変わり、ヴィヴァルディの古典的な共感はリヒターの同時代的な共感へと更新された。リヒターは瞬く間に大衆にとって馴染みのある名となった。リヒターは再構成を宝石を発見する過程だと表現したが、この作品ではまさに「同時代的共感」という宝石が眩く輝いている。
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