
アメリカ国防総省が未確認飛行物体に関する機密資料を大量に公開したことで、日本政府は米側との緊密な情報協力を公式化した。
世間の関心は日本近海で撮影されたアメフト形の物体や宇宙人の存在に向いているが、軍事的安全保障の観点から見れば、この問題の本質は別のところにある。
日米が「未確認異常現象」と呼ばれる物体に注目する本当の理由は宇宙の外ではなく、インド・太平洋地域の空域に静かに侵入してくる敵対国の新たな非対称的脅威を見極めるためだ。
UFOの本当の正体は偵察ドローンと高高度気球だ
木原稔官房長官が空中で識別できない物体について米国と協力すると表明した背景には、中国という巨大な変数がある。

近年、日本周辺の東シナ海や台湾海峡一帯では、中国の軍用機だけでなく、偵察用無人機や高高度気球、電子戦用の欺瞞装置などの活動が急増している。
従来の防空レーダーは高速で飛来する戦闘機やミサイルの捕捉に重点を置いていたため、ゆっくり動く小さな物体は鳥群や気象現象とみなしてノイズとして除外する傾向があった。
しかし2023年に米本土を横断した中国の偵察気球事件を経て、軍事的なパラダイムは一変した。
米軍と自衛隊はレーダーのフィルター感度を調整し、以前なら除外していた低速の非定型物体までも安全保障上の脅威と見なすようになった。

つまり、両国が「識別できない物体」として追跡しているのは、宇宙船を探すロマンチックな試みではなく、領空に侵入した正体不明の飛翔体がどこの偵察資産で、どのようにレーダーを欺いたのかを突き止めるための防空網再構築作業だ。
映像公開を嫌う日本の冷徹な計算
注目すべきは、日本政府が防衛省が収集した類似資料の一般公開には明確に線を引いたことだ。
木原官房長官は情報収集能力の露呈を懸念し、具体的判断を保留した。これは軍事情報戦の核心を突く判断だ。
UFOの映像自体は一般向けの興味深い見世物に過ぎないかもしれないが、敵国の軍事専門家にとっては、撮影した側のセンサー性能を詳細に推定できる高度なメタデータになる。

映像の撮影位置や時間帯、画質、赤外線検知の有無を分析すれば、米軍と自衛隊が現在どの地域をどの解像度で監視しているか、どの時間帯に監視の盲点が生じるかを逆算できる。
結局、日本政府は米軍インド太平洋司令部の強力な情報網に便乗して中国やロシアを牽制する外交的メッセージを発しつつも、自国の防空網の死角やセンサー仕様は最後まで秘匿するという二重の計算を行っている。
また、こうした未確認の脅威を強調することは、国内で宇宙や電子戦の能力強化を正当化する防衛費増額の格好の口実にもなっている。













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